耐熱マスキング

焼付塗装ユーザーが直面する
面倒な手間を解消する必需品

サンドブラストから焼付までこれひとつでOK
豊富なサイズであらゆる塗装作業に重宝します。

柔軟性が高く200℃以上の高温にも耐えられるシリコン素材を使ったプラグやキャップは、ガンコートやパウダーコートなどカーベックが得意とする機能性塗料の施工に不可欠なマスキングアイテムです。
熱で糊が張り付いたりテープ自体が変質することのある一般的なマスキングテープに比べて、焼付乾燥後の剥がれが良く塗装の仕上がりが向上します。 塗装剥離のサンドブラストから塗装、焼付まで連続的に使えるので、何度も貼ったり剥がしたりする手間も省けて、繰り返し使えることで資材コストも低減できるメリットもあります。

開発ストーリー

一度使ったらやめられない
簡単で効果抜群の耐熱マスキングは
焼付塗装ユーザーの毎日に役立ちます

プラグ、キャップ、テープなどさまざまな形状とサイズで、焼付塗装のマスキング作業を容易にします。 キャップやプラグに塗料が付着しても、焼付後に変形させることで塗膜が割れて簡単に剥がせるのがシリコン製の大きなメリットです。


シリコンキャップや耐熱マスキングテープなどの耐熱マスキングアイテムは、カーベックが販売しているガンコートやパウダーコートなどの焼付塗料を使ったペイントにとって、必要不可欠な存在といっても過言ではありません。
日本の塗料商社で扱っているところが少ないので、これまでは自動車補修や鈑金系やカスタムペイントの現場で見る機会が少なかったと思いますが、アメリカのカスタムペイント界では比較的ポピュラーです。私たち日本人は手先が器用なので、細かなマスキングも手間を掛けて行いますが、彼らにとってそうした作業は面倒なので「キャップやプラグを差し込んで終了!」という手軽さが受けているのかもしれません。
日本でも、ひとつの製品を1ロットで何百、何千も塗装するメーカーのラインでは、作業効率のアップのためにこうしたキャップタイプのマスキングを使用することがあり、そうした工業系の需要に応えるために1つの形状で数百から数千個単位で供給する例はあるようです。
しかしながらいろいろなサイズのマスキングを集めてセット品として販売しているのは私たちだけなので、この製品を一度でも使ったことのある焼付塗装を行う皆さんからは「耐熱マスキングなくして、どうやって仕事を進めるの!?」と言っていただけるほど重宝されています。
カーベックの耐熱マスキング材料は、シリコン製キャップやプラグのグループと、マスキングテープのグループに分類されます。
鈑金塗装やウレタン、ラッカー系のカスタムペイントで使われる紙素材のマスキングテープの耐熱温度は、せいぜい60~70℃程度です。ウレタン塗装の焼付温度に耐えられれば問題ないからです。しかしガンコートやパウダーコートのように焼付温度が170~180℃に達すると、紙のマスキングテープの接着剤=ノリが焼き付いて素材から剥がれなくなったり、素材や塗装下地にノリが染みて跡が残るトラブルが発生する場合があります。
私たちの耐熱マスキングテープは、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性を備えたポリエステル素材を用いています。紙製のマスキングテープでも、ガンコートの焼付乾燥を行う前にテープを剥がせば、張り付きなどトラブルを回避できますが、塗装する場所や形状によってはテープをうまく剥がせない場合もあります。またパウダーコートは焼付前は粉末なので、テープを剥がすとマスキングの境界部分で粉体塗料が崩れてエッジがダルくなってしまいます。
耐熱仕様のマスキングテープの耐熱温度はいろいろ選べますが、私たちはガンコートやパウダーを焼いてもマージンがあるよう、210℃仕様を販売しています。ですからCV乾燥器で焼付をしっかり行っても焼付後のノリ残りがなく、テープ自体の柔軟性も維持されるので細かくバラバラに切れることなく、きれいに剥がせます。
テープの幅は使用頻度の高い15mmと30mmの2種類を用意しており、エンジンやホイールなどの加工面のマスキングでご利用いただいています。
焼付できるマスキングテープはノリ残りのなさが便利ですが、塗料の種類によってはひと手間加えた方が良い場合もあります。結晶塗料の塗膜はテープとの境界部分の塗膜が割れやすいので、焼付硬化後にデザインカッターで軽くなぞっておくと良いでしょう。またパウダーコートは塗膜が厚い分、テープ自体が塗膜に埋まってしまうことが多いので、焼付乾燥後はテープの境界にカッターを入れておくのが有効です。


想像以上に膨張する空気を
破裂させないスリット付きプラグ

三角屋根の頂点部分には切れ目があり、プラグを挿入したラジエターやオイルクーラー内部の空気が膨張するとスリットから排気されます。
焼付乾燥を前提としたプラグは、焼付塗料を扱うカーベックだからこそ取り扱いできる製品です。

シリコンキャップやプラグは使い方が簡単で、使い道が多様で、何度でも使えるのでとても好評です。素材は耐熱シリコン製で200℃で焼き付けても柔軟性が持続するので、ガンコートやパウダー塗料とともに焼き付けても、曲げたり捻れば塗膜がパラパラと剥がれ落ちて、何度でもリフレッシュした状態で使えます。
円錐プラグには、雌ネジやスタッドボルト穴など比較的小径の穴に対応するものから、ホイールベアリングのハウジングやステアリングヘッドパイプのベアリングレース部分向けの直径の大きなものまで、16種類ものバリエーションを用意しています。私たち自身も、どのサイズがどんな作業に適しているかをすべて把握しているわけではありません。そのためにすべてのサイズをバランス良くセットしたスターティングキットを用意していますので、まずはこれをご自身の作業で活用いただき、ご自身の仕事で沢山使うサイズが分かったら単品で追加購入いただくのが良いと思います。
プラグのバリエーションの中でもひときわユニークで、さらに機能性にも富むのが排気穴付プラグです。これはプラグの栓にシリコン素材の弾力性を利用した弁があり、加熱によって塗装する素材の内圧が変化する部分をマスキングするのにとても便利です。具体的にはラジエターやオイルクーラーをガンコートでペイントする際に、ホースの差込部分に挿入しておけば、焼付時に空気が膨張しても、排気穴から排出されるのでコアがパンクするトラブルが防止できます。
マスキング程度でコア本体がパンクするのか? と疑う方もいますが、ラジエターの入り口と出口を几帳面に密封してしまうと、アルミ製のコアは想像以上に容易にパンクします。あるいはシリンダーヘッドカバーを結晶塗料でペイントする際に、止まり穴をマスキングテープで密封してしまうと、焼付時に空気が膨張してテープを押し上げて弱い部分から空気が噴き出し、結晶塗料が風船のように膨らんでしまうこともあります。私たちの経験上、結晶塗料の表面に独特の結晶模様ができるぐらいまで加熱されるのと、穴の中の空気もちょうど良く膨張するタイミングが何故かシンクロしてしまうことが多く、マスキングテープの端から空気が「プシュッ」と出るタイミングで風船が「プクッ」と膨らんでしまうのです。
そのためテープでマスキングする際は、加熱によって膨張した空気が抜けるよう、テープを貼った後を必ずデザインカッターで突いて切れ目を入れておくのですが、そうしたリスクやひと手間も、排気穴付プラグですべて解消できます。


シリコン製キャップやプラグは
サンドブラストにも耐えられます
ガムテープの重ね張りは不要です

スタッドボルトやニップルのマスキングに便利なキャップタイプは3サイズ。
スターティングキットにはブルーの小サイズが20個、ベージュの中サイズが20個、ピンクの大サイズが9個入っています。

マスキングテープで平面部分をカバーした後に、スタッドボルトにキャップを被せればテープを巻く必要はありません。シリコン製のマスキングテープを貼った上に布製ガムテープを重ねれば、サンドブラストも可能です。下地に耐熱テープがあれば、焼付乾燥後に簡単に剥がせます。


耐熱塗装に使えるのはもちろんですが、私たちの耐熱マスキングシリーズには「サンドブラストのマスキングにも使える」という大きな利点があります。
従来の作業工程でバイク用のフレームをパウダーコートする場合、研磨材でダメージを受けない厚手のガムテープによるサンドブラスト用のマスキングと、パウダーコートの塗装用のマスキングを2回行う必要がありました。ガムテープのノリは粘着性が高くアセトンで剥がすのが面倒で、塗装用のマスキングは焼き付けで張り付くという二重苦を当たり前として受け入れるしかありませんでした。
しかしこのキットのプラグやキャップなら、ブラストの研磨材にも焼付乾燥の高温にも対応するので、マスキング工程を劇的に効率化できます。ステアリングヘッドパイプやスイングアームピボット、スイングアームのベアリングホルダー、フロントフォークアウターチューブなど、研磨材を入れたくない部分はいくつもありますが、柔軟性と反発力のあるプラグをギュッとねじ込むだけで、厚手のガムテープでマスキングする手間は不要です。そしてサンドブラストが終わったら、プラグを抜いて表面に残った研磨材をエアブローで取り除き、もう一度差し込めばすぐにパウダーコートができます。そのまま焼き付けた後にプラグを外せば納品準備完了です。塗装仕事は実作業より段取りに手間と時間を費やされてしまうものですが、このキットさえあれば面倒なマスキングが楽になり、仕事の効率が大幅にアップすること間違いありません。この耐熱マスキングを活用している皆さんが一様に「これがないと仕事にならない」とおっしゃるのも、段取り時間の短縮が利益アップに直結すること実感されている証拠です。
パウダーコートでは、シリコン製プラグが仕上がり品質の向上に貢献する例もあります。具体的な使い方を説明しましょう。ブラスト時にはねじ穴の奥までプラグをしっかり突っ込みますが、パウダーコート前にはグイグイ押し込まず、優しく差し込んで粉体塗料を吹きかけます。そして焼付前にプラグをそっと抜くのです。
パウダーコートは塗膜が厚いため、焼き付けた後でプラグを抜くと、抜いた時に穴の周囲にエッジが立ちます。これは当たり前の仕上がりですが、焼き付け前にプラグを抜くことで穴の縁に硬化したパウダー塗装のエッジが立たず、なおかつねじ穴にはパウダーが入っていないので、焼き付け後にタップを立てる必要がないのです。ほんのわずかの作業手順の組み替えですが、お客さんの満足度は確実にアップします。そしてこれは柔軟性のある耐熱シリコンプラグだからことできる手法なのです。


豊富な作業経験に基づいたアドバイスで
作業に適した商品を提供します


ただ、何が何でもシリコンプラグを使わなければならない、というわけではありません。レストアではなく自社でオリジナル部品を製作する場合など、サンドブラストが省略できる代わりに同じ部品を50個、100個と塗る場合があります。1個の部品に4カ所のねじ穴があると、50個の部品で200箇所のマスキングが必要です。私たちの耐熱マスキングキットのプラグは、サイズごとに10個か20個ずつ詰め合わせていますが、同じサイズで200個は入っていません。もちろん、単品のプラグを200個購入いただいても良いのですが、脱脂洗浄だけでブラストを使わないなら、ちょっと厚めの新聞広告を短冊状に切ってクルクルと丸めて突っ込むだけでねじ穴のマスキングとして使えます。
新聞広告でねじ穴をカバーしてパウダー塗料を吹き付け、焼付乾燥を行う前に粉を飛び散らせないように丸めたマスキング紙を引き抜くのです。するとシリコンプラグを抜くのと同様に、穴の縁にエッジのない仕上がりとなります。短冊状の新聞広告は1回限りの使い捨てですが、大量のプラグを調達するより低コストで目的が達成できます。理屈が分かっていれば、あとは臨機応変で対応できます。
一般的な塗料商では、おそらく商品知識以上の事柄をお伝えできるところはないと思います。塗料商は商社であって、メーカーではありませんから。しかしカーベックは、自社で企画した製品を私たち自身が販売する、メーカーと商社の機能を併せ持っています。自分たちが使って便利だと思える商品だから自信をもってお勧めできますし、使い方に関してもいろんなパターンを自分たちで試してきたことがバックグラウンドにあります。
ガンコートやパウダーコートがメインディッシュだとすれば、耐熱マスキングはその魅力を引き出すサイドディッシュのようなものです。スパイスの利いたサイドディッシュを活用して、ワンランク上のクオリティを実現して下さい。

 

ラインナップ・ご購入

定番のテープ状のものから、ボルト穴に最適なプラグタイプ、熱膨張した空気を逃がすための排気スリットが付いたタイプまで、幅広く取り揃えています。


PAGETOP
Copyright © CARVEK All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.