万能プライマー「ハイブリッドプライマー」

薄く吹けばプライマー
厚く塗り込めばサフェーサーの二刀流
金属への密着力抜群の強力下地剤です

金属素材への密着性に優れたプライマーと、ある程度の塗膜があって上塗り塗料にしっかり着くサフェーサー。2種類の下地塗料は境界が曖昧で、実は用語の使い方も不明瞭です。私たちのハイブリッドプライマーは、これひとつでプライマーにもサフェーサーにも使えるユーティリティアイテム。一石二鳥の働きで、様々な上塗り塗料に対応できるのが特長です。


ガンコートもパウダーも
下地作りが重要です



塗料の密着性を上げたりパテと金属部の境界を消すために、鈑金補修でもカスタムペイントでも上塗り前のプライマーやサフェーサーは欠かせません。板金業界では金属の地肌への密着を良くするために使うのがプライマー、上塗りの下地材としてペーパーなどで研磨できるのがサフェーサーと分類されているようですが、プライマーサフェーサー(プラサフ)や密着剤と呼ばれる製品もあり、用語の使い方は今ひとつ厳密ではないようです。ただいずれにしても、塗装の下地には何らかの前処理を行います。
一方ガンコートやパウダーコートの場合、塗料自身に金属への高い密着性があるため、剥離剤やサンドブラストなどで旧塗膜を剥離して足づけを行ったら直接金属パーツに施工することが可能です。放熱性の高さが重要な機能であるガンコートの場合、高温になるパーツに直接接触することが有効になります。パウダーコートでも、エポキシベースの塗料は特に金属への密着力が強く、金属素材に直接塗布しても充分な性能を発揮します。

量産性に優れたパウダーコートは工業系塗装の定番であることは、粉体塗料のところで説明しました。しかし工業系のパウダーでも下地処理は行われています。パウダーコートにとって油分は大敵でハジキの原因になりますが、自動車やバイクほど塗装品質に対する要求が高くない事務用品や家具の中には、サビの原因となる油分の洗浄が不充分なまま塗装工程を迎えるものもあります。そのような場面で、金属表面にプライマーをバラ吹きする工程を加えることで脱脂洗浄の手間を増やさず品質低下を防いでいます。その工程を見たことがありますが「これで本当に密着が上がるの?」というほど薄く、下地が透けて見えるほどでした。
しかし生産現場のリクエストで開発されたプライマーは、多少の油分なら弾かず塗りこむことができ、防錆効果が高く、パウダーの静電塗装にも悪影響を与えないように作り込まれているのです。金属パーツに直接塗布しても平均点のパウダー塗装はできますが、平均以上のクオリティを求めるプロのペイントショップ向けには、焼付乾燥が可能なプライマーを提供したい。そんな思いで製品化したのが「ハイブリッドプライマー」です。


どんな塗料にも使用可能な
工業用ベースの高性能が自慢です

ハイブリッドプライマーにはホワイトとブラックの2色があり、上塗り塗料が明るい色の場合はホワイトを使うことで発色が良くなります。ブラックと混ぜることでグレーにすることもできます。

密着剤として薄めに使う際は20分ほど置いてから上塗りを行います。一方、サフェーサーとして厚塗りした場合は、130℃で20分以上焼付乾燥を行った後に目の細かいサンドペーパーや不織布で表面を荒らすことで上塗り塗料の密着性が向上します。

ハイブリッドプライマーは上塗り塗装の種類を問わず使え、金属への密着が抜群に良いのが特長です。

一般的な鈑金塗装用のプライマーやサフェーサーはあくまで上塗り塗料との中継役という位置づけですが、ハイブリッドプライマーはこれ自体が優れた機能を持っています。ハイブリッドプライマーは硬化剤不要の一液タイプで、エポキシ樹脂が主成分です。何度か説明していますが、エポキシ樹脂はそれ単体で金属への密着が良いのです。エポキシ接着剤が金属の接合に適しているのも、エポキシ樹脂の性能によるものです。工業系での実験例ですが、コイルスプリングをリン酸塩処理した後にエポキシプライマーを電着させたところ、上塗りなしの状態で塩水噴霧試験100時間を余裕でクリアできるほどの防錆能力を示したそうです。これもエポキシの密着性を示す一例です。
また工業用と同様に、少々の油分ならプライマー自体が押さえ込んでくれるので、脱脂工程に逆戻りせず作業が進められます。もちろんプライマーが硬化すれば、その上にパウダーやウレタン塗装を行っても弾くことはありません。

薄塗りであれば上塗りの密着性向上や防錆効果を発揮する一方、厚めに重ね塗りすればエポキシ樹脂の強靱さが期待できます。純正ホイールやバイクのトップブリッジなどの鋳造部品には普段は気づかないほどの巣穴があり、ここに溜まった空気が加熱されることで膨張し、塗膜に気泡ができる「ワキ」の原因になります。塗膜が薄い溶剤塗料なら、ワキが発生しても気泡がパンクして平滑に自己補修される場合もあります。しかし塗膜が厚く強靱なパウダーコートの場合、気泡が割れず塗膜を膨らませた状態で硬化してしまうことがあります。そしてこれをサンドペーパーで研ぐと、巣穴が露出してしまうため再塗装は避けられません。
ワキを防止するには塗装前の空焼きが効果的ですが、その後でハイブリッドプライマーを厚く塗装すれば、エポキシの樹脂膜が巣穴から沸き出そうとする気泡を押さえ込み、上塗り塗装のワキを防ぎます。硬化後の塗膜はとても硬くなるので、表面をペーパーで研いでから上塗り塗装を行うことで密着を確保できます。

そしてもう一点、パウダーコートでハイブリッドプライマーを使うことで「下地の透け」を防止できる利点があります。パウダー状の粉末塗料は180℃に加熱することで溶解して金属表面に塗着しますが、液体になることで塗膜に表面張力が働き、段差部分や端面の色が薄くなり下地が透ける場合があります。せっかくパウダーで強靱な塗膜にしたのに、フレームや足周りの黒部品で下地が透けて見えてしまうと、全体の印象も低下します。
そんな残念な結果を招かないために、あらかじめエッジ部分にハイブリッドプライマーを塗装しておくのです。そうすれば黒のパウダーが万が一透けても、いきなり金属の地肌が見えることはありません。バラ吹きでも上塗り塗料の食いつきが良いので透け防止の効果はありますが、しっかり塗り込めばハイブリッドプライマー自身の密着力や防錆力で上塗り塗装の仕上がり品質はさらに向上します。

防錆効果、高い密着性能、ワキや透けを防ぐ能力など、ハイブリッドプライマーはパウダーの経験が浅い方ほど使って頂きたいアイテムです。一般的なサフェーサーは粉体塗料が載りづらいのでビギナーには使いづらいですが、パウダー業界のオーダーによって開発された製品をベースとするハイブリッドプライマーは通電性に影響しない素材を使っているので、重ね塗りをしても失敗しません。
ただ、どれだけ高性能であっても塗装の重ね塗りは最低限にとどめるのは大原則です。美味しいラーメンとカレーと寿司も、一つの器にすべてを盛りつけてしまったら台無しです。密着性向上が目的でも、ハイブリッドプライマーとマジックウォーターの併用に効果はありません。どちらも金属素材への食いつきや良いですが、お互いを塗り重ねても本来の性能は発揮できないのです。ですから塗装前の下処理は、その上にどのような塗料を塗るかによって、最適なアイテムを選択していただきたいです。もちろん、そのためのアドバイスもいたします。

 

ハイブリッドプライマーとは

粉体塗装・結晶塗装・ウレタン塗装などの様々な塗装の下地に使用可能なプライマーです。金属への密着力向上はもちろんですが、防錆効果、鋳造部品のワキ防止※、エッジ部のスケ防止など様々なシーンで活躍する万能プライマーです。

※ワキ防止には下処理としての「カラ焼き」を行うとより効果的です。

使用方法

主剤(1液タイプ)に対して20~30%のシンナー希釈でご使用ください。
 
■密着剤として使用・・・2コート1ベイク
 プライマー塗膜薄め:セッティング20分後に上塗り塗装
 
■サフェーサー代わりに使用・・・2コート2ベイク
 プライマー塗膜厚め:130℃で20分以上の焼付乾燥後、研ぎ工程を経て上塗り塗装

ハイブリッドプライマーの使用例


 

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塗装前下処理剤について

塗装と密着力の相関関係

どのような状況でも塗装が剥がれた場合は、塗料が悪いと考えられがちです。確かに、塗料の種類によって耐久性やストロングポイントは異なります。
その塗料の持つ基本的なポテンシャルに差があるとしても、塗装前下処理方法で密着力や耐久性が大きく左右することも忘れてはなりません。
サンドブラストやペーパーによる足付け作業、十分な脱脂、既定の乾燥条件を遵守するなどは当然のことですが、プライマーの使用や化成処理で更なる密着効果を向上させ、塗膜性能のポテンシャルを最大限に発揮することが可能です。

 

 

 
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