化成処理液「マジックウォーター」

工業界では当たり前の「化成処理」で
研磨面の塗料も剥がれません!
一度使ったら手放せない魔法の水です

サンドブラストやペーパーでパーツ表面を擦る足づけは、塗料を密着させるために不可欠な作業です。しかし工業製品の生産現場では「化成処理」という化学反応を利用しています。そこで私たちはカスタムペイントで便利な化成処理液を開発しました。バレル研磨の上にキャンディパウダーを塗るような、ペーパーで下地を擦れない悪条件でも、劇的な密着性を発揮します。

開発ストーリー

鈑金塗装では耳なじみがなくても
工業界では当たり前の化成処理


化成処理によって素材表面に目に見えないアンカーが立った状態になります。アルミ板をマジックウォーターで処理すると、撥水性が無くなり「濡れ性が上がった」状態になります。

プラサフやパテを入れた後、必ず行うのがサンドペーパーを使った足づけ作業です。ではなぜペーパーで擦るのか? 答えは簡単、表面積を増やして塗料の密着性を向上させるためですね。誰もが疑うことのない足づけは作業、鈑金補修やカスタムなどの再ペイントでこそ当たり前ですが、工場の製造ラインでは行われません。素材が新品か中古品の補修かという条件の違いはありますが、工業界では足づけに相当する作業を「化成処理」と呼ばれる化学反応で行っています。
そもそも工業界では足づけというフレーズ自体が存在しません。しかし金属の防錆と塗料の密着性に関する要求は極めて高く、下地処理は不可欠です。そこでペーパーが届かない隅々まで行き渡り、サンドブラストよりも短時間で金属表面を処理する手段として使われているのが化成処理なのです。
例えば分単位で生産される自動車のボディの場合は「リン酸塩処理」という化成処理を行います。自動車だけでなく、ほとんどのスチール製品は定番的にリン酸塩処理を行っています。リン酸塩の溶液中に漬け込まれた鉄部品は、表面に目に見えない無数の柱=アンカーが立った状態になります。ペーパーで擦ったような物理的な傷は付きませんが、マジックテープの片面が金属表面にあると考えても分かりやすいかもしれません。そのマジックテープの表面に塗料を吹き付ければ剥がれにくいのも当然です。つまり化成処理とは「化学反応によって塗料が密着しやすい環境を作る」ことなのです。
ちなみに同条件の鉄素材と塗料であっても、化成処理の種類を変えて塩水噴霧テストを行うと密着度に数倍の差が出ることがあります。これは化成処理が単一のものではなく、素材や条件による相性があることを示しています。したがって工業界では、生産条件に合わせて化成処理剤を設計することもあるほどです。

しかし、そんな化成処理も自動車補修の業界ではまず使いません。それどころか化成処理という概念もありません。そこには自動車補修ならではの条件があります。金属地肌、サフェーサー、パテ、以前の塗り面など、鈑金補修では素材や条件が異なる塗装面がグラデーションのように存在しています。しかし化成処理は使用する素材に合わせてチューニングしてあるので、鉄の地肌に効果があってもポリエステルパテに効き目がなく、上塗り前に水分を付着させたくないという理由もあって使っていないのです。ボディパネル交換で純正部品を注文すると未塗装の黒いパネルが届きますが、あれはリン酸塩処理で化成処理を行った後にカチオン電着塗装で下塗りを行った状態で、防錆性能と塗膜性能は最高レベルです。
このように、工業界と鈑金補修やカスタム業界では足づけに関する認識が全く異なります。しかし私たちの製品には「バレル研磨+クリアパウダー塗装」といった、ペーパー研磨などの物理的な足づけができない上に塗装したいという組み合わせがあります。研磨パーツへの塗装は表面保護はもちろん、キャンディカラーによってカスタム感も大幅にアップしますがツルツル、ピカピカの素材は塗装が載りづらい。そこで注目したのが化成処理でした。


チタン系のアンカーを使って
クリア系の塗料への影響を排除しています



鉄素材の化成処理にはリン酸塩処理を使うことは工業界では確立された手段です。そしてアルミの場合はジルコニアを主成分とした化成処理が主流となっています。アルミとジルコニアは相性が良く塗料(サフェーサーを含む)の密着性は良いのですが、処理を行うとアルミ表面の色が変わります。変色によって化成処理の完了が分かるのは良いのですが、素地が透けるクリアやキャンディー塗装では問題です。特に研磨によって鏡面仕上げにしたアルミパーツに意図しない色が着くのは好ましくありません。

そこで私たちは化学メーカーと相談の上、処理によってアルミ素材の色が変化しないチタン系の化成処理液をチョイスしました。「マジックウォーター」と名付けたこの商品は、チタン系のアンカーによって表面積を増やし、上塗り用塗料の食いつきを向上させます。塗装の密着性や付着性を評価する「クロスカット試験」というテスト項目があります。これは塗装表面に碁盤の目状に切れ込みを入れて、そこにテープを貼って引き上げた際に塗膜片がいくつ剥がれるかで密着度を測る、JISで規定された試験方法です。私たちは定められた手順よりさらにシビアで意地悪なテストを行いましたが、マジックウォーターの有無による剥離片の差は歴然でした。バレル研磨で鏡面状態に磨いたパーツにクリアを塗ると絶対に剥がれてしまいますが、化成処理を行うことで完璧に密着していたのです。

マジックウォーターによる化成処理は、脱脂洗浄したパーツを原液に漬け込むか、パーツ表面に連続的に吹き付けることで進行します。マジックウォーター自体が透明なので反応の進行が分かりづらいのですが、3分ほどで弾きがなくなり、塗装用語で「濡れ性が上がった」状態となり、液がパーツ表面にベターっと流れるようになります。
色も変わらないし泡も出ないため、たったそれだけ? と不思議に感じるかもしれませんが、これが化学反応による化成処理であり、表面に付着したマジックウォーターを水で流して80℃ぐらいで強制乾燥すれば塗装の準備は完了です。「アルミパーツの表面にチタンのアンカーが残るのなら、徐々に効果が低下するのでは?」という気もするでしょうが、パーツを漬け込んだり吹き付ける際に減少する分を除けば、繰り返し使用しても性能が低下しないのがマジックウォーターの特長です。ですから漬け込み用の容器に入れて使う場合だけでなく、吹き付けて使う際にもスプレー後に滴下したマジックウォーターを回収できる受け皿を用意しておくことが重要です。
連続吹きつけ作業については、工業界ではシャワールームのようなブースで浴びせかけますが、100均ショップで売っているハンドポンプでも同じです。ひたすらシュッシュッとスプレーし続ければ、最初はパーツ表面で弾いていたマジックウォーターがベターッと張り付き、濡れ性が上がった親水状態に変化します。ホイールなどの大きなパーツで、漬け込める槽が用意できない場合には、吹きつけ作業による処理がお勧めです。ただ、ドボンと漬けて3分待てば処理が終わる便利さから、日常的にホイールカスタムを行うショップではマジックウォーター専用の化成処理槽を用意している方もいます。
「短時間で確実に密着性が向上するなら、一手間加えない理由がない」と多くのユーザーが言うように、一度使うと止められないのが化成処理の魅力です。


マジックウォーターと
ハイブリッドプライマーの使い分けについて




金属表面に化学的に作用して、塗料が密着しやすい環境を作るのが化成処理の役割です。工業界では大昔から当たり前のように使われてきましたが、現在でも進化を続けています。密着性だけで評価すればクロム系の製品はとても優秀でしたが、環境問題への意識が高まる過程で使用が制限されました。また金属素材や塗料の変化に応じて、より密着性の高い処理液を開発することもメーカーにとっては重要です。そして私たちは、鏡面仕上げのアルミ部品の質感が低下せずクリアやキャンディカラーのパウダーコートを密着させられるよう、星の数ほどある化成処理液の中から透明のマジックウォーターを製品化しました。マジックウォーターにはアルミ専用とマルチ用の2種類がありますが、これはステンレスやクロームメッキや鉄など、アルミ素材とそれ以外では必要な特性が異なるためです。化成処理液ならどれも同じというわけではありません。

塗装の密着性を向上させるアイテムとしては「ハイブリッドプライマー」も優秀です。これはホワイトとブラックの2色がありますが、いずれも有色なので研磨後にキャンディカラーで塗装する場合は透明のマジックウォーターが適しています。また空冷エンジンのシリンダーやシリンダーヘッドなど形状が複雑で、スプレーガンでハイブリッドプライマーを吹きづらいパーツに対しても、透明の液に漬けるだけでガンコートの密着性が抜群に良くなるマジックウォーターの方が便利な場合があります。
逆に鉄製のパーツに関しては、マジックウォーターマルチタイプで密着性を確保できますが、水溶性ならではのサビを心配するなら、塗料タイプのハイブリッドプライマーの方が安心できます。またマジックウォーターは金属との反応することで性能を発揮するため、塗装やパテが部分的に残っている場合にはハイブリッドプライマーが適しています。

このように、素材や上塗りの種類や組み合わせによって最適な塗装下地処理は変わります。しかしアルミパーツに透明感のある塗装を行う際にはマジックウォーターによる化成処理を上回るものはないと確信しています。ポリッシュ仕上げのアルミホイールにとろけるようなキャンディパウダーを塗れば、個性的で上質感のあるカスタムホイールができあがります。透明で不思議なマジックウォーターは、化学反応の作用によって鏡面に塗料が密着する魔法によってその感動を長く持続させ、仕事のクオリティを大きく引き上げます。

 

化成処理とは

金属表面に化学反応による皮膜を形成する処理のことです。金属の表面にアンカーを立て、そのアンカーに塗料がしがみつくイメージです。
この化学反応により金属表面の性質を変化させ、塗料の密着向上を図ります。いわば接着剤のようなイメージで使用するプライマーとは原理が異なり、無機である金属と有機である塗料を密着させるのに最適な手法と言えます。自動車の新車の塗装ラインにおいても、この化成処理工程を経て塗装されています。

使用方法

マジックウォーターは、浸漬でもシャワーでも使用可能です。完全に脱脂が完了したワークに、そのままマジックウォーターに沈めるかシャワーをかけ流し、3分ほどその状態を維持します。
金属表面が完全に親水状態になった時点で施工完了です。
その後、軽く水洗し水を完全に飛ばし切ってから塗装に入ります。80℃で30分ほどで強制乾燥させるとより効果的です。

マジックウォーターの使用例


 

ご購入

【タイプは2種類】
アルミには「アルミタイプ」、鉄・ステンレス・メッキなどには「マルチタイプ」をご使用ください。

塗装前下処理剤について

塗装と密着力の相関関係

どのような状況でも塗装が剥がれた場合は、塗料が悪いと考えられがちです。確かに、塗料の種類によって耐久性やストロングポイントは異なります。
その塗料の持つ基本的なポテンシャルに差があるとしても、塗装前下処理方法で密着力や耐久性が大きく左右することも忘れてはなりません。
サンドブラストやペーパーによる足付け作業、十分な脱脂、既定の乾燥条件を遵守するなどは当然のことですが、プライマーの使用や化成処理で更なる密着効果を向上させ、塗膜性能のポテンシャルを最大限に発揮することが可能です。

 

 

 
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